3歳までの育児のコツ《3》 やっていいこと、わるいこと その1・その2

「3歳までの育児のコツ」その1で「わが子をまずは肯定的にとらえる、良いところをたくさん見る、たくさん幸せな時間を共有する」でした。
その2で前回あげたのは「子育ての責任者として大人は子どもを上手に導いていく。」でした。
今回は、「やっていいことと悪いことはどうして見分ける?」「どのように伝える?」ついて考えていきたいと思います。


園の方針として、「子どもの行動を制止する必要があるときの基準」を、次のように3つ決めています。
1.自分やお友達に危険の及ぶ行為をした時。
「それは怪我するよ、危ないよ」と何より安全確保。時には身体で防ぎます。
ただし、何かに付け、「危ない、危ない」を口癖の様に連発してもそのうち子どもの心には届かなくなりますから、
できるだけ具体的に言って何が危ないか端的に伝えます。
びっくりした時は落ち着くまで丁寧に慰めます。
2.社会生活を送る上でマナーにそぐわない時。
例えば公共の場で大声を出したり、電車の中で走り回ったりした時。
もちろん暑かったりのどが渇いているなど不快のサインである場合は即座に取り除くことが先決です。
しかしまだ周りを意識できなかったり、ふざけたりしている時は悪気はないのですが・・・
1歳を過ぎたころから今はふさわしくないことを伝える必要があります。
大きな声は出さないよ、とかママから離れないでね、と静かに言い聞かせておくと子どもも守ろうとします。
(理解できて覚えているうちの話ですが)
そんな時は子どもなりにがんぱっているものですから、電車降りたら公園に行っていっぱい走ろうね、と我慢に対する「ご褒美」を話したりしてその場をしのぐと良いでしょう。
先手必勝です。お子さんの心理、行動パターンを把握しておきましょう。
一旦行動にスイッチが入ってしまうと『慣性の法則』でなかなかブレーキがかからなくなります。
そうなってしまうとママも無駄なエネルギーを使いますね。
時には周囲の人から、「今時の若い親は子どものしつけがなっとらん、どうして叱らないのか」と言われているような、逆に子どもを叱ってると「ガミガミ叱ってばかりでなっとらん」と冷たい視線を感じてしまうこともありますね。
でもこの人たちはただ子どもの行為そのものより、言いなりになっている親が許せず、たいてい親に『文句を言いたいだけ』なのですね。
そんな時は「ご迷惑おかけします」と気持ちは表しながら、「あらあらこれはいけないよ、どうしたのかしらね」と我が子に語りかけましょう。
子どもと真摯に向き合ってる態度を示していれば、逆に「いやいや大変だね、」と暖かい目線でみてくれるかもしれません。
またうまくいった場合は後で「とても良くできたね、ママ嬉しいよ。」など我が子を認め労ってあげる事も忘れないで下さい。
お子さんの自尊心はこのような対応の積み重ねで育っていきます。
一見困ったことでもそれをきっかけにして、親子の信頼を深め、子どもの成長に結びつけましょう。
この時期から子どもの自尊心を育てていくことは子育ての重要な課題の一つとなります。
園ではこのようなケースに相当するのは食事や製作のテーブルに乗った時などでしょうか。
その時は「ここはご飯食べるところだから降りようね」と降ろします。
そのかわり、高いところに登りたい要求は遊びの中で叶えてあげられるよう登ったりジャンプしたりできる箱を牛乳パックやダンボールで作っています。
そうこうしているといつの間にかテーブルには登らなくなります。
子どもとのコミュニケーションを十分取る中でエネルギーを上手に遊びに結びつけていければいいですね。
でも家庭ではなかなかそうは行かないこともあるでしょう。
「悪いとはわかっていても」子どものパワーに根負けしてついつい「怪我しなかったら良い」と見て見ぬふりをしたくなりますね。
実は私も子育て時代、炬燵から飛び降りる「遊び」を目いっぱい楽しんでいた自分の子どもたちに対して、何度「だめよ」と言っても聞く耳を持たないので、仕方なく許していました。
家の中ではこの「遊び」で随分エネルギーを発散してくれたのは助かりました。
しかし「これでいいのか?」と私も若い時はいろいろ迷っていた親でした。
遊び専用のモノがない時は、やむを得ずここだけは「OK」とか、よそのお家ではしないなど制限つきで許すことでママも楽になることもあるでしょう。
ともかく一番迷われるのはマナーが絡んできた時ですね。
明確な基準も無いこともあるし、特にその国の文化や価値観、時代によっても違ってきます。
特に祖父母世代と子育ての価値観が違う場合も当然ありますね。いずれにしても、子どものことはしっかり見守っていることを示し、一線を超えた時に、しっかり親が子どもの手綱を握って軌道修正すること、
そして子どものことと周りの人のことを思いやる気持ち、感謝する気持ちを忘れなければ良いのではないでしょうか。
お子さんとお出かけを楽しむ機会も多いと思いますので、参考にしてくださいね。

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